2013年の夏は長い。
10月に入ったらボランティアニットを編み始めるつもりだったが、ウール100%なんか見ているだけで汗がしたたり落ちてくる気温だった。10月14日、月半分経過でようやく3点完成。これじゃ10点に届きそうにない。
編むのは汚れの目立たない地味色の地味編み目、ストレートヤーンをかのこ編みかゴム編みで延々編み続ける。地味で工夫も技もないように見えるけど、これも暖かいからねと思いながら編む。
私はこれがいい!と、一番に声をあげる子供がいる。
自分もそれがいい!と、物怖じしないでいえる子供がいる。
子供は正直に評価する。どれが高価そうなのか、どこが良さそうなのか、どれが自分に得なのか。どれを手に入れるべきなのか、正直に素直に子供らしく評価する。けれどすべての子供にその権利があるわけじゃない。手を上げることも、言い出すことも許されず、主張も立場もなく黙っている子供たちがいる。最後まで自分の希望を伝えられず、差し出されたものを、あるいは残されたものを静かに手にする子供もいる。
これも暖かいからね、どれも暖かいからね、と心の中でつぶやきながら編む。